「性別変更要件一部違憲決定のもやもやを大切にする会」開催レポート by 主催者

こんにちは。ゆ〜くるHP担当のKです。

11月25日に、ゆ〜くるにて私主催のイベント「性別変更要件一部違憲決定のもやもやを大切にする会」を開催しました。今回は当日どんな様子だったのかをレポートします。

イベント概要は以下のページをご覧下さい。

【11/25】ゆ〜くるで性別変更要件一部違憲決定のもやもやを大切にする会を開催します!

イベントの様子

当日は3人の方と1人の協力スタッフが参加してくれました。

 😆参加者 😄主催

結果として時間配分は以下のようになりました。思いの外決定文パートが伸びてしまったので、感想共有・もやもや共有の時間が予定より短くなってしまったのが反省点です。

10:10-10:20目的の共有
10:20-10:30自己紹介
10:30-11:05決定文を読む会(前半)
11:05-11:10休憩
11:10-11:40決定文を読む会(後半)
11:40-12:00感想共有・もやもや共有

目的の共有

当日は最初に目的の共有を行いました。

主催者より、

  1. この企画をやろうと思った理由
  2. 私のポリシー
  3. この場で大切にしたいこと2つ
    • 答えを出す場ではなく、じっくり考えるきっかけにしたい
    • 自分の意見が出る前のもやもやも大事にしたい
  4. みんなに意識してほしいこと

の4項目を参加者に共有しました。原稿はこちら。

なぜこれを最初にもってきたかというと、今回のイベントはディベートの場ではなく、まず情報を受け取りつつ、意見が出る前のもやもやを受けとめる趣旨で行ったのがまずあり、参加者の方々にここはこういう場なんだと理解をして臨んでもらった方が、今回の目的達成に近づくなと思ったからです。

自己紹介

自己紹介パートはゆ〜くるスタッフの「こばてぃー」が担当しました。

自己紹介では、自分の呼ばれたい名前、今年やり残したこと、最近もやもやしていることの3つを参加者同士で共有しました。

決定文を読む会(前半)

自己紹介も終わり、「決定文を読む会」に入っていきます。

このパートは、最高裁が出した「決定文」という、判決文のような決定と決定の理由が書かれた文章を主催が解説しながらじっくり読む会です。

資料の構成はこんな感じ。

前半では、まずホワイトボードを使い、今回の事件がどんなものなのか(原告が違憲と主張した特例法の規定とは・原告はどういう人でどんな訴えをしていたのか・高裁はどのような判断をして、最高裁はどのような判断をしたのか)の概要を説明しました。

次に、プロジェクターに解説付きの資料を写し最高裁の15人全員一致の意見、つまり4号規定は憲法13条に反して違憲であるとした理由について読んでいきました。

なお、決定文はネットに公開されており誰でも見れます。興味と時間のある方は是非チャレンジしてみて下さい(全部読むのには1時間ほど掛かります)。

性別の取扱いの変更申立て却下審判に対する抗告棄却決定に対する特別抗告事件 – 裁判所

性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律 – e-Gov法令検索

決定文を読む会(後半)

休憩を挟み決定文を読む会(後半)ではプロジェクターに解説付きの資料を写し、決定文に載せられている裁判官個人の意見(補足意見・反対意見)について見ていきました。

ちなみに反対意見とは、4号規定を違憲とするのに反対する意見ではなく、4号規定だけでなく5号規定も違憲とすべきであるとする意見です。

反対意見では、15人一致の意見では書かれていない、「公衆浴場」の話や、「トイレ」の話が述べられており、前半よりも身近な話題に触れました。

感想共有・もやもや共有

感想共有・もやもや共有では、参加者が付箋に感じているもやもやと、感想を書いて参加者同士で共有しました。

主催としては、皆沢山もやもやと感想が出てきてとても嬉しかったです。

参加者の声(アンケート)

イベント終了後、参加者の方々にアンケートをお願いしたところ、快く書いてくれました。この場で一部紹介したいと思います。

  • 目的共有で「意見になる前のもやもやとした気持ちも含めて」大切にすると言ってくれたのが私にはとてもよかった。
  • 法律素人の自分でも分かりやすく学べた!
  • 法律の在り方について学び直すいい機会だった。
  • ゆ〜くるでこういうもやもやの会は継続したい!
  • 自分も生きやすい世の中に貢献できるように物事を広い視野で考え続けたい。
  • 自分の幸福追求と他人の幸福追求、追求すればぶつかるけれど、ぶつかっているところがどこなのか。色々考えました。

主催の声(感想)

この決定が出た当初は、自分のサイトにブログとして解説を載せようと思って資料を書き始めました。ただ、最初の段階で「これは文章量がえげつなくなるな…ブログ載っけても読んでくれるかな…」となって、「そうだ! ゆ〜くるでイベントという形にして発表して他の人の意見も聞いてみよう!」と方針転換し、このイベントを企画しました。

このイベントを終えてみると、やりたい! と思った時に、応援してくれる人がいて、そしてやれる場があるのは本当に素晴らしいことだなと感じました。

ゆ〜くるはまだ開所して2ヶ月ですが、すでに素晴らしい場となっているのではないでしょうか。

また、この参加するのに勇気がいるテーマにもかかわらず、参加下さった3人の方に敬意を表したいと思います。ありがとうございます。

最後に、この企画を一緒に形にしてもらい、当日も自己紹介と感想共有・もやもや共有で協力してくれたスタッフ「こばてぃー」に、私から感謝を申し上げます。

蛇足

イベント後にプロジェクターに写した資料を振り返ったら3万字超えてました。だいぶ引用が入ってますが…

今回、プロジェクターに写した資料は「Joplin」というMarkdownエディタを使っています。Markdownは乱暴にいうと誰でも簡単にウェブページ(HTMLファイル)を作れる言語です。このブログやこのイベントのアナウンスページもJoplinで書いてたりします。

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